5問で目安が分かるIIEF-5—結果の読み方と受診のタイミング
勃起不全(ED)とはどういう状態ですか?
ED (Erectile Dysfunction: 勃起不全)とは、「性交時に十分な勃起が得られず、または維持できずに、満足な性交ができない状態」が継続または再発することです。これは、単に「性行為ができない」というだけでなく、性生活における満足度やQOL(生活の質)の低下にもつながります。
EDは珍しいことではありません。原因はストレスや疲れといった精神的なものから、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、あるいは加齢による血管や神経の変化まで多岐にわたります。
「もしかしたら自分もEDかも?」と悩んでいる方もいるでしょう。そんなとき、セルフチェックの目安として役立つのがIIEF-5 (国際勃起機能スコア)です。
IIEF-5(国際勃起機能スコア)とは?
IIEF-5は、EDの程度を自己評価するための、世界的に広く使われている質問票です。わずか5つの簡単な質問に答えるだけで、あなたの勃起機能の状態を数値化して把握することができます。
IIEF-5の特徴
- 簡単な5つの質問: 性的な自信や勃起の硬さ、維持力に関する質問で構成されています。
- 客観的な指標: 数字で状態がわかるため、自分の勃起機能を客観的に把握するのに役立ちます。
- 受診の目安に: 病院を受診するべきかどうかの一つの判断基準となります。
注意: IIEF-5の結果はあくまでセルフチェックの目安であり、正式な診断は医師が行います。しかし、自分の状態を知るための第一歩として非常に有効です。
IIEF-5の5つの質問と点数の数え方
IIEF-5は、過去6ヶ月間の勃起機能について尋ねる5つの質問で構成されています。以下の5つの質問について、あなたの状態に最も近いものを選び、対応する点数を合計してください。
質問と点数の対応
Q1: 勃起したときの硬さに対する自信はどれくらいでしたか?
- 非常に高い: 5点
- 高い: 4点
- 中程度: 3点
- 低い: 2点
- まったく自信がない/非常に低い: 1点
Q2: 性的な刺激を受けても、勃起が得られなかったことはどのくらいの頻度でしたか?
- ほとんどない/まったくない: 4点
- 時々(半分以下): 3点
- 大半のとき(半分以上): 2点
- ほとんどいつも/いつも: 1点
- 性行為を試みなかった: 0点
Q3: 性交を始めようとしたとき、挿入可能な程度の勃起はどのくらいの頻度で得られましたか?
- ほとんどない/まったくない: 4点
- 時々(半分以下): 3点
- 大半のとき(半分以上): 2点
- ほとんどいつも/いつも: 1点
- 性行為を試みなかった: 0点
Q4: 性交の最中に、勃起を維持できたのはどのくらいの頻度でしたか?
- ほとんどない/まったくない: 4点
- 時々(半分以下): 3点
- 大半のとき(半分以上): 2点
- ほとんどいつも/いつも: 1点
- 性行為を試みなかった: 0点
Q5: 性交を終えるとき、満足できたのはどのくらいの頻度でしたか?
- ほとんどない/まったくない: 4点
- 時々(半分以下): 3点
- 大半のとき(半分以上): 2点
- ほとんどいつも/いつも: 1点
- 性行為を試みなかった: 0点
点数の数え方
5つの質問の点数を合計してください。合計点は5点から25点の間になります。(Q2〜Q5で「性行為を試みなかった」を選択した場合は0点として計算します。)
IIEF-5の合計点からわかるEDの目安
合計点が高いほど、勃起機能は良好であると判断されます。
- 22点〜25点:EDの可能性なし。勃起機能は正常範囲内です。
- 17点〜21点:軽度ED。時々、勃起の硬さや維持力にわずかな問題を感じるかもしれません。
- 12点〜16点:軽度〜中等度ED。勃起機能の低下が比較的はっきりと感じられる状態です。
- 8点〜11点:中等度ED。
- 5点〜7点:重度ED。勃起の硬さが明らかに不十分で、性交に支障が出ている状態です。勃起がほとんど起こらない、または全く起こらない状態です。
病院を受診するベストなタイミング
IIEF-5の結果が21点以下だった場合は、一度泌尿器科などの専門医に相談することをおすすめします。特に、勃起機能の低下がご自身の満足度やパートナーとの関係に影響を与えていると感じているなら、受診のタイミングです。
受診を検討してほしいサイン
- 合計点が21点以下だった: 特に16点以下は治療の必要性が高い目安です。
- 性交の成功率が下がっている: 挿入できてもすぐに萎えてしまうなど、維持できないことが増えた。
- 朝立ちの回数が減った: 勃起機能の低下を示す一つのサインです。
- 自信が持てず、性生活を避けるようになった: 精神的なストレスもEDを悪化させます。
ED治療は、単に症状を改善するだけでなく、自信を取り戻し、生活の質を向上させることにつながります。
泌尿器科でのED治療
ED治療には、主に内服薬 (ED治療薬)が使われます。当院では、患者さんの状態やライフスタイルに合わせた治療法をご提案しています。
- 服薬指導: ED治療薬の効果や副作用、飲み方について丁寧に説明します。
- 生活習慣のアドバイス: EDの原因となる生活習慣病やストレスについてもアドバイスを行います。
【重要】ED治療に関する情報(自由診療)
ED治療薬の処方は、公的医療保険が適用されない自由診療となります。
- 標準的な治療内容: 診察、医師の判断によるED治療薬(内服薬)の処方。
- 費用の目安(自由診療): 料金の目安はこちらからご確認ください。 https://okazakiurology.com/ed/fee/
- 主なリスク・副作用
一般的な副作用として、顔のほてり(潮紅)や頭痛があり、これらは血管拡張作用によるもので、数%程度の頻度で生じます。多くは一時的ですが、症状が続く場合はご相談ください。
ごく稀ですが、以下のような重篤な副作用が報告されています。- 持続勃起症(プリアピズム): 勃起が4時間以上おさまらない状態です。これは陰茎の組織を損傷する可能性があるため、直ちに医療機関を受診してください。
- 視覚異常: 物が青っぽく見える(彩視症)、視界のぼやけ、急激な視力の低下や視覚喪失が稀に報告されています。眼に異常を感じた場合は、すぐに服用を中止し医師にご相談ください。
特にご注意ください:生命に関わる併用禁忌薬
ED治療薬は、硝酸剤や一酸化窒素(NO)供与剤と呼ばれる薬(狭心症の治療に使われるニトログリセリン、硝酸イソソルビドなど)と絶対に併用できません。
これらの薬とED治療薬を一緒に服用すると、血圧が急激に下がりすぎる(重度の低血圧)危険性があり、意識を失ったり、最悪の場合、心臓に負担がかかり生命に関わる事故につながる可能性があります。
現在、心臓病の治療薬(特に狭心症薬)を服用されている方は、診察時に必ず医師にお申し出ください。
治療法、費用、副作用については、診察時に医師から詳しくご説明しますので、ご不明な点は遠慮なくお尋ねください。
EDは隠さず、専門医に相談すれば解決できる可能性が高い症状です。「年のせい」と諦めずに、まずは一歩踏み出してみましょう。