EDについて

about ED

ED(勃起不全)について

EDとは

ED(Erectile Dysfunction/勃起不全)は、満足な性行為に必要な勃起が得られない/維持できない状態が続くことを指します。かつて用いられた「インポテンツ」という呼称は差別的含意があるため、医療現場ではEDという表現が標準です。

どのくらい身近?

日本では、軽症を含めると成人男性の相当数がEDに該当すると推計されます。公開資料の一例では、約1,400万人(およそ3人に1人)、高齢者では頻度がさらに高いと紹介されています(調査により幅あり)。

なぜ起こる?(原因とタイプ)

EDは単一原因で起こるとは限らず、身体・心理・生活・薬剤などが複合します。臨床では次のように整理します。

  • 器質性:血管・神経・内分泌の障害。加齢、高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙などが関与。
  • 心因性:不安・緊張・関係性・過去の失敗体験など。
  • 混合型:器質+心因が併存(最も一般的)。
  • 薬剤性:一部の降圧薬、抗うつ薬・抗精神病薬、5α還元酵素阻害薬などで機能が低下することがあります(自己中止は禁物)。
  • 関連疾患:EDは動脈硬化など心血管リスクのサインとなることがあり、背景疾患の評価が推奨されます。

どんな症状が目安?

EDは単一原因で起こるとは限らず、身体・心理・生活・薬剤などが複合します。臨床では次のように整理します。

  • 勃起の立ち上がりが遅い/十分な硬さに達しない
  • 途中で維持できない/満足度が落ちた
  • 「本番だけうまくいかない」など状況依存の不調
    簡便な自己評価としてIIEF-5(5問)/SHIMが用いられます(診断を確定するものではありません)。

評価(診断)の基本

  • 問診:症状の経過、状況依存の有無、性欲、既往症、服用薬、生活習慣などを確認。
  • 身体所見:血圧・脈拍、体格、陰茎・精巣の診察、血管・神経所見などを必要に応じて。
  • 質問票:IIEF-5で重症度の目安化(治療前後の変化追跡にも有効)。
  • 検査:血糖・脂質・腎肝機能、早朝テストステロン、甲状腺機能等を背景に応じて選択。
  • 追加検査:超音波(陰茎血流)、夜間勃起検査などは必要時に。
    これらは国際ガイドラインでも推奨される標準的なアプローチです。

治療の柱

1) 生活習慣の改善(すべての土台)

禁煙、節酒、運動、睡眠、体重管理、糖尿病・高血圧・脂質異常の最適化は、性機能だけでなく全身の予後改善に寄与します。

2) 薬物療法(PDE5阻害薬)

一般的に第一選択。性的刺激に伴う血管拡張を助け、成功体験の積み重ねが心因性の軽減にも役立つことがあります。
代表薬:シルデナフィル/タダラフィル(他にバルデナフィル、アバナフィル等)。
禁忌:硝酸薬・NO供与薬やsGC刺激薬(リオシグアト)との併用は不可(急激な血圧低下リスク)。併用禁忌はガイドラインでも明確に示されています。

3) ほかの選択肢

陰圧式勃起補助具(VED)、陰茎海綿体自己注射(ICI)、陰茎プロステーシス、カウンセリング(心理・性機能)、テストステロン補充(明確な低値例)など、背景に応じて選択します。

安全のために

  • 緊急受診:4時間以上続く勃起(持続勃起)、胸痛・強い息切れ、失神前症状、急な視力・聴力の変化。
  • 偽造薬に注意:個人輸入や通販で偽造ED薬による健康被害が報告されています。国内正規流通品の使用を強く推奨します。

受診の目安(チェックリスト)

  • 症状が3か月以上続く
  • 生活やパートナー関係に支障が出ている
  • 持病や服用薬との相性が不安
  • IIEF-5の自己評価が気になる(※診断ではありません)

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